エプスタイン神話が暴いたアメリカの経済的絶望と保守の自壊
正義か錯覚か──トランプ支持層を蝕む『エプスタイン経済』の実態
TotalNewsWorld
2025.07.16
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「エプスタインの顧客リストを公開せよ」とトランプ大統領に繰り返し要求する声には、どこか不気味で皮肉な空気が漂っています。一部の支持者にとって、この要求は「真実と正義の最後の砦」とも言えるものです。
しかし、この執着は単に弱者を守り、特権階級の不正を暴こうとする道義的な思いから生まれたわけではありません。それはむしろ、深刻な経済不安から派生した副産物であり、エプスタインのフライトログ以上に現代アメリカの実情を物語っています。
2019年8月、児童性的人身売買の容疑で起訴されていたジェフリー・エプスタインが、不可解な状況下でニューヨークの拘置所内で死亡しました。監視カメラの故障、監視員の不在、そして自殺未遂の前歴――これらが重なったことで、アメリカ国民の間にあった体制への不信は一気に炎上しました。特に経済の苦境にあえぐ人々にとって、エプスタインの死は「権力者が守られ、庶民が切り捨てられる」この国の現実を象徴する事件となりました。